うつし世はゆめ

旅行記ほか、日常生活で感じたことなどを徒然と。

上海三日目~四日目

かなり間が空いてしまったが、最後まで書いてないのは気持ち悪いので、今さらだけど上海日記の続き。

 

【三日目】

二日目と同じ「黄河路」で朝食。ガイドブックに載っていた「小楊生煎館」という店へ。昨日行った「佳家湯包」の向かいの店だった。知らない国で、どこの店へ行けばおいしいものが食べられるのかまったくわからず、とりあえずガイドブックに載っている店なら間違いないだろうということで、ガイドブックを熟読してホテル近くの店を探したのだ。メニューも中国語ばかりでなにを頼んだらいいのかわからず、ガイドブックに写真が出ていた「小楊生煎」(焼き小籠包)と「油豆腐牛肉粉絲湯」という油揚げと牛肉と粉絲(春雨)が入ったカレー風味のスープを頼む。おいしかった。

その後、豫園へ。といっても豫園(古典庭園)には入らず(広くて歩き回ったりすると疲れそうだったから)、隣接する「豫園商城」へ。中国の伝統的江南デザインの建築物が建ち並び、茶館やレストラン、老舗ショップ(アンティークや雑貨店など)がたくさん。いろいろな雑貨店で中国的なデザインのかっこいいお箸が売っていたので、あちこち見て気に入ったものを自分へのお土産に買った。さらに豫園の南側の方浜中路のほうまで歩く。そこは道の両側に土産物店や骨董店が軒を連ねている。そこではなにも買い物はしなかったが、ぶらぶらといろんな店をひやかしながら散策した。

十分満喫した後、また人民広場へ戻り、南京東路で昼食。本当はガイドブックに載っていた「泰康湯包館」という店へ行って蘇州麺が食べたかったのだが(せっかく上海に来たのにおいしい麺を食べていなかったので)、別のビルに入ってしまったらしく、いくら歩いても見つからない。探すのに疲れ、そのビルに入っていた麺がある店へ。蟹みその麺を頼んだが、それは汁なしのパスタのような麺だった。味はまあまあ。

この日は夜に外灘へ行こうと思っていた。欧風建築のビル群がライトアップされ、幻想的な雰囲気らしいので。

夜まで時間が十分あったので、人民広場のなかにある上海博物館へ。ここは北京の故宮博物館、南京博物館とともに、中国三大博物館に数えられている大きな博物館で、膨大なコレクションがあるのだが、入場料は無料。青銅館や陶磁器や書、絵画、彫刻、印章、玉器、明清家具など11もの展示室がある。見応えはあったが、正直私はこうした中国のコレクションには興味がない。それに加えて朝から豫園へ行ってあちこち歩き回って疲れていたのもあり、さっと流す程度にしか見なかった。

疲れてまたもや腰が痛くなったので、昨日も行った黄河路のマッサージ店へ。昨日行った店の隣の店へ行った。そこは1時間35元と昨日行った店より安く、しかも清潔で静かだった。マッサージもきっちりやってくれるし、昨日の店より数段上。

夜になるにはまだ時間があったが、ほかに行きたいところもなかったし、なにより疲れていたので、早めに外灘へ。租界時代に華やかな文化が花開いた外灘。黄浦江沿いには、歴史的建造物の数々が美しく並んでいる。まだライトアップはされていなかったが、それでも十分美しい。一口に欧風建築、といっても、建てられた年代によって様々だ。しばらくぶらぶら散策した後、適当なカフェに入って夜になるのを待つ。しかし何時からライトアップされるのかわからない。1時間くらいカフェにいて、17時半になったころにそろそろだろうと思って出た。上海初の西洋式公園だという黄浦公園を歩く。黄浦江沿いには外灘遊歩道があり、そこからはライトアップされた建物が美しく見えるというので、そこでしばらく待つことに。夜に外を歩く予定のこの日が皮肉なことに一番寒く、河沿いなので風が冷たかった。ライトアップされたのは18時すぎ。一斉に建物がライトアップされるのかと思っていたらそうではなく、少しずつだった。ゆっくりライトアップされていく建物群を見ながら遊歩道を歩く。確かに美しく幻想的で、心が踊った。しかし寒いのでさほど長くはいず、また南京東路を歩いて人民広場へ戻った。外灘から人民広場は歩いて20分ほど。路地裏の道とかを歩いてみる。なんか汚い路地とか、庶民が暮らす小さなアパート、そこに干してある小汚い服とか、中国だなあ、という感じ。

一日目に散財してしまったせいでお金が心もとなくなってきたこともあり、夕食は外ではなくコンビニで買って食べることに。探せば安い店はあったはずだが、とにかくメニューが読めないので、間違って変なものを頼むよりはいいだろうということで。コンビニで青島ビールと肉まんを買う。しかし肉まんはいろんな種類があり、中身がなんなのかわからない。仕方なく写真が出ていた肉っぽいものが入っているものと、野菜っぽいものが入っているものを買う。それとパン屋へ立ち寄ってなんかよくわからないものがまぶしてあるパンを買った。ホテルへ戻って食べてみると、肉まんも野菜まんもおいしかった。正体不明だったパンは、牛のそぼろをまぶしてあるパンで、おいしかった。買って正解だった。ビールと、一日目にコンビニで買った紹興酒の残りを飲む。紹興酒は小さかったのですぐになくなってしまった。

お風呂に入り、早いけどやることがないしもう寝るか・・・と思ったのだが、考えてみれば今夜が上海最後の夜。ここでなにもせず寝てしまうのはもったいないということで、再び着替えて外に出た。

おなじみの黄河路へ行って、やっている店のなかで軽いものがつまめ、お酒がある店を探す。しかしお店はどこもいかにも食堂という感じのどっしりした料理を出す店ばかり。朝行った小籠包の店などは、その日出ているものが売り切れ次第店を閉めてしまうので、夜遅くなると当然どこも閉まっている。かといって地元の人が行くような小さな屋台(昨日行った水餃子の店のような)などは、お酒を置いていない。歩き回った後、ようやくビールのある店を見つけ、入った。そこで酸辣湯青島ビールを頼む。夕食をすませていてお腹がいっぱいだったので、汁物しか入らなかった。上海の酸辣湯は、酢の味が強くてクセがある。私は日本の酸辣湯のほうが食べやすくて好きだ。とはいえ完食し、もう思い残すところはないと、店を出てホテルへ戻り、今度こそ寝た。

 

【四日目】

上海最後の日。といっても13時発の飛行機だったのでゆっくりもしていられず、ホテルを出てご飯を食べた後空港へ。

この日は前日探しても辿りつけなかった「泰康湯包館」へ。前日行ったのは近くにある名前の似た別のビルだった。ここはわかりにくいビルのなかにあった。この店で、ガイドブックに載っていた蟹黄大湯包と、大排双茹麺を頼む。蟹黄大湯包は、上海蟹のミソと身を包んだ直径10cmくらいある大きな小籠包で、楊枝で小さな穴を開けてスープを吸ってから具と皮を食べる。これは激ウマだった。大排双茹麺は、ポークリブの唐揚げと2種類のキノコを乗せた蘇州麺。おいしかったが、蘇州麺というのはスープも麺も味が非常にあっさりしていて、日本の「ラーメン」のイメージとはだいぶ違う。醤油ラーメンとそばの中間、みたいな感じ。頼んだものはどちらもガイドブックに写真が出ていたもの。とにかくレストランでメニューを見せられても中国語ばかりなのでちんぷんかんぷん。漢字だからハングルとかに比べれば多少は意味がつかめる部分はあるが、それでも食事のメニューなどはどんなものが出てくるのかわからない。だからガイドブックに出ている食事の名前をメモして、それとメニューとを照らし合わせて頼む・・・という感じだった。

最後の食事をすませた後、南京東路を歩き、露店で見て気になっていたライターを購入。ジッポなのだが、マッチのように擦ると火がつくようになっている。いろんな絵柄があったが、私はビン・ラディンが描かれていたものを選んだ。かなり不謹慎だけど。

そんなこんなで旅日記は終わり。だいぶはしょっている。