ふざけるなよ、なんなんだよ。やってられないよ、まったくもう。
「ふざけるなよ、なんなんだよ。やってられないよ、まったくもう。」
チェルフィッチュの『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』という作品のなかの台詞。
仕事に明け暮れているコンビニの店長が、本部から理不尽なことを言われる。
その場では大人しく聞いていたが、しばらく経つと憤りが湧いてくる。
それでも、その憤りを誰かにぶつけることもできず、一人で上記の台詞を言う。独特の身振りをつけながら。
台詞は感情がこめられず、淡々と発せられる。表情も変わらない。それでいて身振りがおかしいので、なんだかシュールでコミカルに見える。
その台詞は何度も繰り返される。身振りも一緒だ。
途中、音楽が変調する。
最後に「コンビニとか言って」という台詞が追加され、そのぶんの動きも加わる。
「ふざけるなよ、なんなんだよ。やってられないよ、コンビニとか言って。まったくもう。」
この芝居のこのシーンのかっこよさといったら、悶絶ものなのだけど、それは置いといて。
仕事でため息が出そうになったとき、私はひそかに頭の中で、この台詞と身振りを反芻しています。
そうすると、とたんに自分のやっていることがどうでもいいものに思えてきて、気が楽になります。