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うつし世はゆめ

旅行記ほか、日常生活で感じたことなどを徒然と。

ハノイの旅~1日目

10月10日から13日まで、ベトナムの首都ハノイへ行って来た。ベトナムは10年ほど前にホーチミンへ行ったきり。ホーチミンはかなり活気があり、庶民的な雑多な風景が広がっている一方、経済的に発展しつつあり、高層ビルも建っていた。ベトナムは南北に長いので、都市によってかなり違いがある。ハノイホーチミンほど発展してはいないが、緑や湖が多い美しい街で、夜はお店などが22時には閉まるという。落ち着いた街なのだろうか?期待に胸が膨らむ。

 

10日の8:55の羽田発のANAにてハノイへ。着いたのは現地時間12:05。ノイバイ国際空港へ降り立つと、ムンとした熱気に包まれた。気温は30度近くとのことだが、曇っていたためそれほど暑くはない。しかし湿気がすごい。日本の梅雨のような感じ。

空港に着いて最初に抱いた印象は、「うわー、田舎だなあ」ということだった。空港のなかは照明が間引いてあって薄暗く、お店もあまりない。空港の外もなにもない。

すぐにタクシーでホテルへ向かう。ホテルは繁華街であるホアンキエム湖周辺にある「ゴールデンレイクホテル」。ホアンキエム湖、タンロン水上人形劇場まで歩いてすぐという立地が気に入り、予約した。

空港からホテルまではタクシーで40分ほど。タクシーでの移動中、ずっと窓の外を眺めていたが、行けども行けどもなにもない田舎の風景が広がるばかり。随分走ったころ、やっと街らしい雰囲気にはなってきたが、高層ビルなどは皆無だ。タクシーが街の小さな道に入る。雑貨店などがごちゃごちゃと建ち並ぶ道だ。どうやらここが繁華街らしい。しかし、旅行者の姿はほとんどない。タクシーがホテルの前に泊まる。しばし愕然としてしまう。ホテルはサイトで見たゴージャスな雰囲気とは全く異なり、古くこじんまりとしたアパートのような外観。中へ入ると、ロビーも狭く、スタッフもどこかやる気のなさそうな感じ。通されたのは、ロビーの横にある階段を上ってすぐの2階の一室。ロビーからあまりにも近く、ロビーの音が丸聞こえ。部屋はかなり狭い。シャワールームも小さい。窓を開けたら、またしても愕然としてしまった。そこに広がっていたのは外の景色ではなかった。なんとロビーが見えた。これは窓ではなかったのだ。冷蔵庫を開けると水しか入っていない。水は冷えていない。冷蔵庫の電源が入っていないのだ。コンセントが抜けているので、コンセントを探して電源を入れた。気を取り直してセイフティボックスにパスポートと日本円を入れることにした。スタッフを呼んで使い方を聞いていたのだが、自分でやったら操作を間違ったのか、パスポートと日本円が中に入っているのにまったく開かなくなってしまい、軽くパニックになった。再度スタッフを呼んで、マスターキーで開けてもらう。その後、再度トライするも、やっぱり開かなくなる。どうやらセイフティボックスが壊れてしまったらしい。仕方がなくスタッフからマスターキーを借りることに。やれやれ、とんだおんぼろホテルだ。飛行機に5時間もゆられてやっと辿り着いたホテルがこれである。旅行のテンションがみるみる下がっていく。

しかし、気を取り直し、ホテルのツアー予約のデスクへ赴き、明日のハロン湾の日帰りツアーを予約した。その旅行代理店の人は、最初、なんと一人80ドルと吹っ掛けてきた。私は旅行前にハロン湾の日帰りツアーについて調べており、日本で事前に日本語ガイドつきのツアーを予約しようとすると最低80ドルかかるが、現地で英語ガイドつきのツアーを予約すればその半額以下で済むということはわかっていた。なので、80ドルは高い、半額にしてくれ、と言うと、あっさり半額にしてくれた。なんなんだ。結局さらに値切って一人35ドルで翌日のハロン湾日帰りツアーを予約した。

その後、歩いてタンロン水上人形劇場へ行き、16:10の回のチケットを買った。少し時間があったので、周辺の繁華街をぶらぶら歩く。道は汚く、食べ物などの独特の匂いがする。雑貨店や食料店などの露店がひしめいている。道の真ん中に米の入った大きな器が置いてあったり、店の外に蒸した鳥が並べられていたり、お店のなかではお店の人が普通に座ってフォーかなんかを食べていたりする。東南アジアに来たのだ、と思った。

タンロン水上人形劇は、とても面白かった。舞台一面に水が張られており、左脇に演奏者が並ぶ。ベトナム伝統楽器の軽やかな音色とともに、舞台奥の水中から操り人形が現れる。人形はとてもよくできており、動きもコミカルで繊細。3~5分の短編が9話。内容は民話や伝説、民族的な話で、複数の人形が水の上を滑るように軽やかに動き、生き生きと話を紡いでいく。言葉がわからなくても、観ているだけでストーリーは理解できる。小道具も凝っていて、派手なアクションやギャグが多く、客席は大いに沸いていた。なんか童心に返った感じ。

充分堪能した後、歩いてガイドブックに出ていた「ニュー・デイ」という大衆食堂へ。ハノイビール、グラスの赤ワインとセットメニューを頼む。鶏肉のフォー、揚げ春巻き、牛肉と野菜の炒め物、ライス、デザート。どれもおいしかった。料金は二人で30万ドン(約1500円)。かなり安い。

その後、ぶらぶら繁華街を歩き、ホアンキエム湖まで行く。緑豊かで、ライトアップされており、景色も美しい。湖畔は地元の人たちでにぎわっていた。ホアンキエム湖周辺は繁華街で、ホテルやレストランも多く、旅行者にとって便利なところらしい。

しかし、通りのオートバイの多さにはびっくりさせられた。ホーチミンもそうだったけれど、二人乗り、三人乗りのものすごい数のバイクが道を走っている。皆、マスクをつけている。排気ガスがすごいのだ。道には信号がなく、横断歩道さえなく、道を渡るときは暴力的でさえあるバイクの群れをよけて通らねばならない。結構スピードを出して走っているバイクもいるので、かなり怖い。けど、地元の人たちは慣れているのか、普通にバイクの間をひらりひらりと渡っている。それを見習って渡るも、やはり怖い。けれど、旅行中に結構慣れた。

バイクを交わしながら歩いて行くと、歩行者天国になっている広場に出た。そこは普段は歩行者天国にはなっていないようだが、この日はたまたまハノイ解放記念日のパレードがあったのだ。私は知らなくて、たまたま通りがかったらパレードをやっていて、すごい人だった。パレードはベトナムの民族衣装を着た男女が旗を振って踊ったり楽器を演奏したり、かぶり物をかぶった男女が途中でダンスパフォーマンスをしながら歩いていたり、ホーチミンの写真が高々と掲げられていたり、とにかく次々といろんなものが出てくる。まったく違うけれども高円寺の阿波踊りみたいに、次々違う人たちが延々と出てくる。いつ終わるともしれないパレードを、人々は楽しげに見ている。なんかすごくいいな、と思った。活気がある。誰だ、「ハノイは夜が早い」なんて言ったのは?この日に限らず、ホアンキエム湖周辺は、夜遅くまで結構賑やかだった。たまたまそういう賑やかなところに泊まってしまったのかもしれないが。

熱気にあおられ、近くのカフェバーに入り、一杯やる。カンパリソーダを飲んだ。一杯8万ドン(400円)。結構高かった。そこは地元の人たちでにぎわっていた。バーの外にも人が溢れんばかりだ。小さな噴水があるのだが、その前で撮影している人が多い。緑豊かで美しいホアンキエム湖は、人々の憩いの場所になっているようで、皆、遊歩道を歩いたりベンチに座ったりして、夜を楽しんでいる。

いったんホテルへ戻ってシャワーを浴びるも、あいにく窓から(窓じゃないけど)ロビーの声とか外の様子がだだ漏れで、どうやらパレードの後は花火をやっていたらしい。ちょうどシャワーに入っていたときだから花火は見られなかったのだけど、なんだか名残惜しい気がして、また着替えて外に出た。やはりものすごい人、人、人、そしてバイク、バイク、バイク!路地を歩いたらもう轢かれそうな勢いでバイクが走っている。その様をiPhoneで撮影したりしていたのだが、今思うと、そんなことをしてよくiPhoneの盗難に遭わなかったな、と思うくらいの人出だった。ホアンキエム湖を中心に広がっている繁華街の夜の風景は、東京にたとえると、歌舞伎町のような雰囲気。雑多で人が多くごみごみしていて、すごく活気があるけれど、危険そうでもある。なるほど、これがベトナムの首都ハノイの繁華街の夜か。などと納得しながら、1日目のハノイの夜はふけていった。