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うつし世はゆめ

旅行記ほか、日常生活で感じたことなどを徒然と。

梯子

山田詠美のある小説のなかで、「オトコと別れるときには次のオトコを見つけていなくちゃ。梯子を上るようにね」というのがあって(かなり不正確だけど)、ほんとにそのとおりだなと思う。どんなにダメな男でも、誰もいないよりましというものだ。恋愛指南書などにはよく「ダメな男とは早く別れて次に行くべし」みたいに書いてあるけど、そんなに「別れたらハイ次」って、都合よく新しい男が現れるもんなの?一部のもてる人や惚れっぽい人だったりしない限り、フリーになってから次の男ができるまでは、だいたい数カ月、最悪1年2年ぐらいかかったりするんじゃないの?まあ、誰でもいいから付き合おう、というなら、話は別だけど。問題は、その数カ月~1年2年のフリーの期間。指南書などには、「一人の時間を楽しみ、自分磨きをしよう」とか書いてあることが多い。確かに、友達と自由に遊んだりしてフリーの時間を楽しみ、自分を磨いてさらにいい女になる、という人も多いだろう。だけどフリーの時間を純粋に楽しめるのって、せいぜい3カ月くらいじゃないのかなあ。自分磨きに精を出すのはいいことだと思うけれど、1年も男がいない、性の相手すらいない・・・となると、やっぱり枯れてしまう気がする。セフレのような男がいる、というならまだいいけれど。

だけど、ダメだなと思っている男とずるずる付き合い続けていたら、新しい出会いがあっても逃してしまうことも多い。新しい男が現れても、今の男と比べてしまい、「この程度だったら今の男のほうがいいか・・・」とか思ったりしてしまう。とはいえ、最初はいまいちかな・・・と思っていても、いざ付き合い始めればあばたもえくぼでだんだん相手の顔とか性格も好ましく思えてくるもの。思いきって別れて一人になれば、やっぱり淋しいわけだから、そんなにタイプじゃない男でもとりあえず付き合ってみようか、となる。でもダメ男だけどもとりあえずいる、という状態だと、そうはならない。ハードルが上がってしまうのだ。そう考えると、思いきってフリーになったほうが、純粋に出会いは広がるといえる。しかし、新しい男が今の男よりいいとは限らない。そもそも、今の男と本当に別れたいと思っていたら、あれこれ考える前にとっくに別れているだろう。それをしないのは、単純に一人になるのが淋しいからということもあるけど、今の男に対してなにがしかの執着があるからともいえる。

理想は今の男をキープしつつもっといい男が現れたらそっちに乗り換える、だが、上記のようなこともあり現実にはそうそううまくはいかない。なにかを得たいならなにかを失わなければいけない、とはよくいわれることだ。しかし、馴染んでいる男の良さというのは絶対あって、それは見過ごせないことだと思う。ダメだなあ、まったくもう、と思いながらも、ずるずると関係を続ける・・・というのもまたいいものだ。

 

でもまあ、山田詠美のその言葉は、こういうネガティブな考え方じゃなくて、「次々と新しい男に乗り換えていくのが、いい女ってものなのよ」っていうことだな、きっと。