うつし世はゆめ

旅行記ほか、日常生活で感じたことなどを徒然と。

頭の体操

3月からいろいろ新しいことを始めた、と前の日記で書いたけれど、そのなかのひとつに英会話スクールがある。

英語をしゃべれるようになりたい、とはずっと思っていた。私は海外旅行が好きなので、旅先で困らない程度の日常会話を身につけたいと。昔、ウィーンに一人で行ったことがあったのだけど、英語が話せないことで結構苦労した。まあ、逆に、英語がまったく話せなくてもなんとか無事に行って帰ってこれた、とも言えるのだけれど。まったく英語が話せないのに初めてたった一人でヨーロッパに行って、現地の人にまじって街を歩き、あちこち観光し、一人でレストランに入って食事してワインを飲んで……、って、今振り返ると結構無謀だけれど、大きなトラブルもなく無事に帰ってこられたわけだ。そのころはそのこと自体に酔っていて、「私はこれで世界中どこだって行ける!」みたいに気持ちが昂揚したけれど、やっぱり英語は話せたほうがいいに決まっている。

英語をしゃべれるようになりたい、とは思っていたが、意志の弱い私は独学でやってもまず続かないだろうと思い、強制的に週一回行かなければならない英会話スクールに通うことにしたのだ。とはいえ、別に頑張って勉強してTOEICテストを受けよう、とかいうわけじゃない。言ってしまえば単なる気分転換、頭の体操。一回の授業は60分で2000円だから、芝居を観に行くより安い。面白い芝居だったらなにを犠牲にしてでも観に行きたいが、つまんない芝居にお金や時間を費やすくらいなら、英会話スクールに行って少しでも勉強したほうがいい。

私が受講しているのは初級の社会人コース。ほんとに初級の初級、出てくる単語や文法は中学生レベル。私もほとんどしゃべれないけれど、ほかの受講者も皆できない人ばかりで、なんだか笑ってしまうくらいレベルが低い。でも、やっていて楽しい。私は大学受験のときにかなり英語を勉強したのだが、もうすっかり忘れてしまっている。けれど、授業でネイティブの先生が話す英語を聴いたり、自分もしゃべったりしているうちに、忘れていた英単語とか文法とかが不意によみがえる。何年も脳のなかで埋もれていた知識が、刺激を与えることで少しずつ引き出される感じ、これが面白い。忘れたと思っていたけど、根っこの部分は忘れていなかった。

けれど、真剣に勉強する気がなければ、週一で英会話スクールに通ったくらいでは、英語は身につかない。よく本屋で売っている、CDつきの英語の教材でも買って、自宅でも勉強しようか……とも思い始めている。

なにかを学ぶことって、実は最大の退屈しのぎ、なのかも。自分を磨くためとか、知識を深めるため……とか気張るより、単純になんとなく退屈だから、生活に変化を与えたくてなにかを学び始めてみる……というのもいいではないですか。