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うつし世はゆめ

旅行記ほか、日常生活で感じたことなどを徒然と。

開花宣言

東京で桜の開花宣言が出た。今年はどこへお花見に行こう……と考えてワクワクする半面、桜の季節は毎年、変に気分が昂揚したり不安定になったりするので、気をつけねば……とも思っている。過去を振り返っても、大きな事件を起こしているのは、だいたいこの時期だ。

寒く暗く灰色だった冬が突然終わり、不意に淡い色彩に溢れた春というものがやってくる。暖かい日と肌寒い日が交互に訪れ、やがて肌寒い日より暖かい日のほうが多くなり、完全な春になったと思ったら、いつの間にかまた季節は移り変わっている。本谷有希子のなにかの小説のなかで、「鬱病の人にとって、四季は耐えがたい」というようなくだりがあったが、それがすごくよくわかる。けれど、放っておいても季節はばんばん移り変わっていくし、それに伴って人の気持ちも変わっていく。皆、自分の気持ちの変化に鈍感なだけで、別に鬱病の人じゃなくたって、しょっちゅう激しく気分が変動しているのだ。

 

なんとなく、今年はこの時期をなんとか持ちこたえられるんじゃないか、という気がしている。ここ数カ月、瞬間的な怒りや興奮にかられて暴力的になったり、なんとなく気分が塞ぎこむ、ということはたまにあるにせよ、比較的精神状態は安定している。

3月に入ってから、いろいろ新しいことをやり始めた。気分が上向きになって、一時に新しいことを始めた自分に対し、もしかしたら軽躁状態になっているのじゃないか?という不安がよぎる。

長年の経験から、自分が今どういう状態にあるのか、今の季節はどういう精神状態に陥りやすいのか、ということが、わかってきた。しかし、あまり心配することはないのかもしれない。私の場合、軽躁状態になっても、そんなに深刻化せず、長くは続かない、ということもまた、わかっている。

 

今日は、私の今後に大きく関わる仕事の打ち合わせがあったのだが、相手の都合で時間が遅くなってしまった。私はその後、とある荷物を取りに行く予定があったので、打ち合わせを明日に延ばしてもらった。そそくさとその場を後にして荷物を取りに向かうと、そこはもう閉まっていた。私は忘れられたのだ。

けれど、こういうことはよくあること。その後、なんとなくぶらぶらとお店を見て、淡いグリーンのストールが安く売られていたので、買った。ちょうどこんな色のストールが欲しいと思っていたところだった。今日ここに荷物を取りに来なければ、このストールは買えなかったのだ。……こんな具合に、なるべく万事良い方向に考える癖を、最近意識的に身につけている。